高橋書店 (2019-01-07)
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給与明細の基本的な構成は?
給与明細に記載する項目は一般的に、「勤怠項目」、「支給項目」、「控除項目」の3つに分けられます。それぞれの項目について、具体的に見ていきましょう。
勤怠項目
勤怠項目には、出勤日数や欠勤日数、有給休暇の取得日数、残業時間などが明記されています。
支給項目
支給項目は大きく2つに分けれらます。1つは基本給で、もう1つは各種手当です。各種手当の具体例には、通勤手当、残業手当(時間外手当)、住居手当、扶養手当・家族手当、役職手当、資格手当、地域手当などがあります。支給項目には、それぞれの具体的な金額が明記されています。
控除項目
控除項目に該当するのは、会社を通じて支払われた保険料や税金等です。具体的には、以下のとおりです。
- 健康保険料:病気や怪我などの医療費負担を軽くするためのものです。保険料は「標準報酬月額」x「保険料率」で計算されます。なお、平成30年3月時点の協会けんぽの健康保険料率は9.90%で、そのうちの半分は会社負担になります。
- 介護保険料:加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態になった際の介護費負担を軽くするためのものです。保険料は「標準報酬月額」x「保険料率」で計算されます。なお、平成30年3月時点の協会けんぽの介護保険料率は1.57%です。
- 厚生年金保険料:高齢になって退職した時、あるいは障害または死亡した場合に、本人や家族が年金を受給するためのものです。なお、平成30年3月時点の厚生年金保険料率は18.30%で、そのうちの半分は会社負担になります。
- 雇用保険料:失業した時に再就職までの期間に雇用手当を支給するためのものです。また、スキルアップのための教育にかかった費用の一部補助も受けられます。なお、平成30年3月時点の一般事業の雇用保険料率は0.90%で、そのうちの0.60%は会社負担になります。
- 所得税:支給総額から税金の対象とならないものと社会保険料を引いた額に対して所得税率をかけて計算されます。基本的には、課税支給額が多ければ多いほど税率も高くなります。
- 住民税:前年の課税所得に基づいて算出されます。したがって、学生時代に一定以上の収入がなかった場合には、新卒初年度は住民税が控除されることはありません。
- その他:会社の制度によっては、確定拠出年金の本人負担分、財形貯蓄、従業員持株会への拠出金、労働組合費などが控除される場合もあります。
洋泉社
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差引支給額(手取り)
上記の支給項目の合計金額から控除項目の合計金額を差し引いた金額が、差引支給額となります。いわゆる「手取り金額」と呼ばれるものです。実際に当面使用可能なのはこの手取り金額となりますので、家計を考える際にはこの金額を基準にすると安心です。
手取り給料の一部を貯蓄する習慣の大切さ
新入社員のころは給料が多くないため、金銭的な余裕がないことが多いかもしれません。親元を離れて一人暮らしをしている場合には特にそうでしょう。しかし、「手取り給料の一部を貯蓄する」という習慣を新入社員の頃から身につけるようにしましょう。もちろん、手取り収入の全部や半分というわけではなく、初めは1割、出来れば2割、余裕がある時には3割と、自分にとって無理のない範囲で手取り給料の一部を貯蓄する習慣を身につけることは長い人生で必ずプラスになるはずです。まずは、1年間働かなくても貯蓄を取り崩せば生活には困らない程度の金額を目標にするのが良いでしょう。人生はいつ何が起こるかわかりません。自分や家族が突然病気や事故にあって働けなくなってしまった、突然勤め先が倒産してしまった、勤め先から解雇されてしまった、そんな時にもある程度の蓄えがあれば、精神的にも落ち着いて対処することができるものです。