就職面接の対策として何をすべきか?
就職活動の対策を進める上で、エントリーシートの内容やSPIなどの筆記試験の準備・対策については、何をどのように努力すれば良いのかが比較的明確です。一方で、面接の準備・対策については、何をどのように努力すれば良いのか難しいのが現実です。就活は人生と同じで、努力してどうにかできる部分と、努力してもどうにもできない部分があります。努力してもどうにもできない部分について考えたり悩んだりするのは、ただでさえ多忙な就活中の時間の使い方としてもったいないですし、ストレスにもなるので精神的にも良くありません。それでは、面接の準備・対策として、努力すべきなのはどういった点なのでしょうか?
面接において第一印象を良くする方法とは?
人間関係の構築においては、第一印象が何よりも重要だと言われます。ある人に対して第一印象で好印象を持てば、その後もその人に対して好意的になり、その逆も真なりです。就職面接も所詮は人が人を定性的に評価するものですから、通常の人間関係の構築と同じく、第一印象が重要になります。
そもそも、人間の第一印象は何で決まるのでしょうか?アメリカの心理学者のアルバート・メラビアン先生の研究結果(「メラビアンの法則」)によると、就職面接のような人と人が直接顔を合わせるコミュニケーションにおいては、大きく3つの要素が相手の印象に影響を与えるとされています。その3つとは、視覚情報、聴覚情報、言語情報です。
- 視覚情報:表情、仕草、目線、身だしなみなど
- 聴覚情報:声のトーンや口調など
- 言語情報:話の内容など
皆さんはこの中でどれが一番重要だと思うでしょうか?多くの人は、話の内容そのものである言語情報が重要だと思うのでないでしょうか?しかし、アルバート・メラビアン先生の「メラビアンの法則」では、人間の印象を決めるのは、視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%とされており、話の内容そのもの以上に、表情、仕草、目線、身だしなみ、声のトーンや口調が重要とされています。自己PRや志望動機などの話の内容は十分に準備をしていると思いますので、表情や仕草、服装や髪型、話し方や聞き方を意識しながら努力してみるのも選択肢の1つではないでしょうか。
就活中の面接対策として、努力して変えられること・改善できること
就活中の面接対策として、努力して変えられること・改善できることの具体例としては、表情・仕草、服装・髪型、話し方・聞き方の3つがあります。
表情・仕草
表情や仕草で一番大切なことは、なるべく口角を上げて、明るい表情で自然な笑顔を出すことです。そして、明るく挨拶をすることです。それだけで、相手が受ける第一印象がぐっと良くなります。面接中に無理に笑顔を作る必要はありませんが、少なくとも相手に安心感を持ってもらえるような表情を保つことを心掛けましょう。素敵な笑顔や愛嬌を持つことは、就活中も就職後も最大の強みになります。
服装・髪型
服装や髪型で重要なことは清潔感があるかどうか、これに尽きます。煌びやかで目立つ服装や髪型をする必要はまったくありません。服装や髪型はどちらかという減点項目ですので、清潔感があればそれで問題がありませんが、逆に清潔感がなければ第一印象が悪くなってしまいます。自分の服装や髪型に清潔感があるのかないのかを客観的に評価する自信がない人は、家族や友人、先輩や後輩などの身近な人のアドバイスを聞いてみるのが良いでしょう。
話し方・聞き方
話し方や聞き方の癖はそう簡単には変えられない、そう思っている人も多いかもしれません。でも、意識して変えられる点もあります。具体的には、話すときのスピードと聞くときの相槌や態度です。就職面接のような緊張する場面だと、準備した内容や記憶している内容をなるべく上手に話そうと焦るあまりに、話すスピードが速くなってしまうケースがよく見られます。話すスピードが速過ぎると、落ち着きがない、あるいは攻撃的であるような印象につながってしまいます。緊張しているときほど、ゆっくりと話すことを心掛けると良いでしょう。また、相手の話を聞く際には、適度に相槌を打って、自分は相手の話を真剣に聞いているということを態度で示すようにしましょう。
就活中の面接対策として、努力しても変えられないこと・改善できないこと
就活中の面接対策として、努力しても変えられないこと・改善できないことの具体例としては、容姿、学歴・経歴、話す技術の3つがあります。
容姿
就職面接において美男・美女が有利かどうかは議論が分かれるところですが、業界や職種によっては容姿の良し悪しが重要なポイントの1つとなることもあるのが現実かもしれません。ただし、それだけで内定が決まるということはありません。容姿美容整形技術が発達している現代においては、お金や時間をかければ容姿を変えることも出来ますが、生まれながらの容姿を就活中に変えることはそう簡単ではありません。そうなのであれば、容姿について考えたり悩んだりするのは生産的ではありません。
学歴・経歴
現在所属している学校や学部も含めた学歴やこれまでの経歴についても、就活中に変えることは出来ません。就活中は、学歴や経歴の壁、学歴フィルターの存在などを感じる場面が出てくることもありますが、それについて考えたり悩んだりするのも効率的ではありません。どうしても納得がいかない場合には、他の学校や学部に入りなおす、転入するという選択肢もありますが、ライフプランが数年間単位で変わってくることになるため、慎重に検討する必要があります。
話す技術
生まれながらにして話が上手な人もいれば、口下手な人もいます。話が上手な人は、業界や職種によっては大きなアピールポイントになりますので、その点を存分に活かすのも良いでしょう。一方で、口下手な人も気にすることはありません。口下手であることが大きなマイナスとなるような業界や職種はそう多くありません。口下手=営業に不向きというのも大きな勘違いで、世の中には口下手だけれども営業担当者としてとても優秀な人というのも山ほどいます。むしろ、口下手だからこそ安心できる、信頼できるとされることもあるのが現実です。そのため、たとえ口下手でも、社会人として常識的なコミュニケーションが取れるのであれば、それについて考えたり悩んだりする必要はありません。